病院側逆転敗訴、高裁はどう判断したか－横浜地裁、東京高裁判決の詳報◆Vol.3
レポート 2018年5月9日 (水) 高橋直純（m3.com編集部）
Vol.1 地裁での遺族、病院側の主張 Vol.2 地裁での裁判所判断 Vol.3 高裁での遺族側、裁判所の事実認定 Vol.4 高裁での裁判所判断 東京高裁判決（杉原則彦裁判長） 2018年3月28日 主文 1 原判決を取り消す。 2 病院側は原告に対し、連帯して3260万5763円を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は第1審、第2審を通じて、これを2分し、その1を病院側の負担とし、その余を原告の負担とする。 5 この判決は第2項に限り、仮に執行することができる。 事実および理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 病院側は、原告に対し、連帯して7173万2679円を支払え 3 訴訟費用は第1，2審とも病院側の負担とする 4 仮執行宣言 第2 事案の概要 １ 本件は2009年10月4日午前1時16分頃、波田町立波田総合病院に緊急搬送された、同病院の小児科医であるA医師の診察を受けた上、その指示により帰宅した後の4日午後0時半頃、脳ヘルニアによって死亡した男子中学生（13歳）の母である原告が、A医師において緊急搬送時に頭蓋内圧亢進症を疑って必要な...