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救急車は無料でいいの?【後編】

オピニオン 2018年5月25日 (金)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

救急医として国内外での豊富な診療経験、指導医経験を持つ志賀隆氏(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)が救急医療の現場を考える当企画。前回と今回の計2回は救急車の利用を取り上げています。今回は、海外の事例を参考に日本の救急搬送を考えます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 前回(【前編】はコチラ)は、救急車の有料化を検討すべきと主張しました。今後の救急医療を担う人材の急増が望めない中、人口動態の変化などから単純推計すると需要は増える救急医療の現場で、疲弊感をできるだけ増やさないのが目的です。今回は、日本で有料化を検討するための具体的な材料として、諸外国の例から見ていきましょう。 米国は「いったん受け入れたものの別病院へ転院」が数千ドルに 例外はあるものの、イギリスやアイルランドでは救急搬送を患者負担のない「無料」を原則に運営しています。両国とも、救急搬送の需要は高まっているようですが、パラメディック(日本の救急救命士に該当)が、「救急車での搬送が必要か」を判断できるシステムがあるため、日本ほど救急車の利用が問題にはなっていな...