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「たらい回しできない」、多忙な救急 - 柳辺安秀・宮崎県立延岡病院長に聞く◆Vol.2

レポート 2018年6月27日 (水)  水谷悠(m3.com編集部)

宮崎県立延岡病院での医師大量退職に端を発し、休日・夜間救急患者の激増も相まって地域医療崩壊の危機が起こった延岡市。行政や市民団体も含め、患者啓発の運動などによって最悪の時期を脱した。そのとき、当の延岡病院は実際にどのような状況だったのか。当時小児科の勤務医で、現在は病院長を務める柳辺安秀氏に聞いた(2018年5月29日にインタビュー)。 Vol.1はこちら 患者啓発の先行事例、延岡市 Vol.1◆「医療崩壊地域」払拭目指した延岡市 Vol.2◆「たらい回せない」多忙な救急 ――休日・夜間救急患者がピークを迎えた2007年度前後の病院は、どのような状況だったのでしょうか。 昼間の勤務でも各科とも患者が多く多忙でしたが、救急当直時も軽症患者も多く眠れない日もあり負担感があったと思います。全科で救急当直をやりますが、救急当直を負担に感じる医師もあり、当直明けも勤務ですから肉体的にもきつかったと思います。当直明けは早めに帰宅しても良い決まりがありましたが、実際は仕事が終わらず通常勤務後帰ることが多かったですね。当時は高速道路も宮崎まで開通しておらず、宮崎市から赴任する医師にとってはまだまだ不便...