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小児期発症疾患を抱え大人になるということ

オピニオン 2018年6月16日 (土)  古東麻悠(小児科医)

この度m3.comで執筆させていただくことになりました、小児科医の古東麻悠です。医者4年目、まだまだ未熟者ですが若手ならでは?の等身大の文章を書いていければと思います。 少しばかり自己紹介を。 1989年に横浜で生まれ、1歳で渡米、9歳までの8年間をニューヨークで過ごし、思い返せばアイデンティティーやマイノリティー、生と死について考える機会が多い子ども時代を過ごしました。現在は都内総合病院で日々診療にあたりながら、「全ての子どもたちに選択肢がある世の中を作る」ことをモットーに、新興国の孤児院援助や国内の教育・福祉に関するNPOでメディカルアドバイザーとして携わっています。 小児科の醍醐味はなんといっても携わった子どもたちが成長していく過程を見られること。一方でそれら一つ一つの成長は小児科からの卒業が近づくことを意味し、次の段階を踏まえた管理をするのもまた、小児科医の努めなのだと実感が湧いてきたところです。 そんなことを意識し始めたきっかけは、小児科で担当している20代の脳性麻痺の患者さん。普段は自宅で過ごされているものの、ここ一年は感染症や膵炎を繰り返し、入退院を繰り返しています。内科...