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米国心臓外科医のお財布事情 前編

オピニオン 2018年7月8日 (日)  北原大翔(シカゴ大学 心臓胸部外科心肺移植・機械式循環補助 クリニカルフェロー)

[連載第1回はこちら] 前回の投稿でプロキュアメント(移植用心臓の摘出)に行くことで、1回約30万円稼ぐことができることを話しましたが、今回は米国心臓外科医(主に僕)のお金にまつわる話です。 日本の医師の給料は人によってさまざまだと思いますが(特に開業している人の場合)、僕は研修医時代、年収300万円くらいの給料からスタートしました。もちろん時間外手当やボーナスはなしです。2年の研修期間を終えると外科医としての修練が始まるのですが、その時に大学の関連病院に出張し、そこで年収1000万円くらいもらっていました。医師3年目が人生で最も給料を稼いでいた時かもしれません。 その後、心臓血管外科の修練へと移行し、基本の給料と週1回のバイトを合わせて年収700万円くらいとなり、その状態で米国への留学が決まりました。内科系の同期などから話を聞くと、外科系はやや給料が高いみたいですが、基本的にはどの科に属していても特に大きく給料が変わるという印象はなく、大学病院で働くか一般病院で働くか、というのが一番大きい要素であったような気がします。 それでは米国心臓外科はどうでしょうか。現在僕はフェロー、いわゆる...