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大学の大半は「地域枠」の存続希望 - 小林誠一郎・AJMC委員会委員長に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2018年7月7日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――奨学金を支給する地域枠の卒業生の「辞退率」は、地域枠制度発足以前の都道府県医師養成奨学金の卒業生よりも低いという結果です。 卒後年数が経過するにしたがい、「辞退率」が増加する可能性もあり、義務年限を終えた時点でないと、最終的な結果は言えませんが、「辞退率」は都道府県医師養成奨学金の卒業生と比べて改善傾向にあると言えます。その理由として、地域枠制度発足以前の理由として、主に二つが考えられます。一つは、地域医療に関する教育や啓発活動などの卒前支援体制の拡充、もう一つは卒後のキャリア形成などに対する支援です。これらは地域枠を今後、より実効性のあるものにする施策とも言えます。 本研究の3カ年の調査からも、各大学が地域枠の学生を対象とした交流会やセミナーの開催、キャリアパスの提示、相談窓口の設置、特別教育プログラムの提供、メンター制度などの卒前の支援体制を充実させていることが示されました。その大きな原動力となっているのは、各大学に設置されている地域医療学講座などです。同講座は、地域枠の学生と密接な関係を持ち、地域枠の学生のさまざまな支援に取り組んでいます。各大学、特に地方の大学は地域枠に期待...