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労基署介入「労働時間の短縮のみ、センスがない」、聖路加・福井院長

レポート 2018年7月4日 (水)  大西裕康(m3.com編集部)

聖路加国際病院院長の福井氏 聖路加国際病院の院長を務める福井次矢氏(聖路加国際大学学長)は6月29日、石川県金沢市内で開かれた第68回日本病院学会のシンポジウムで登壇し、2016年6月に労働基準監督署から是正勧告を受けて診療体制を縮小するなどの対応を余儀なくされた自院の経験を振り返った上で、私見として「医師の労働時間を短縮することだけに注力しており、行政に携わる者としてセンスがない」と一刀両断した。 「労基署にも厚生労働省にも問い合わせたが、現時点では医療における時間外労働の定義、自己研鑽と労働の区分けを明示できない。にもかかわらず、『労働時間の是正』と称して病院に次々介入している現状はおかしい」と理由を説明し、理不尽な対応になっていると苦言を呈した。「医師の分布を理想的な状態に近づけるための施策を併行して強力に押し進めるなどの対応が必要」とも訴えた。 福井氏は、「救急で夜勤が多くなり、うつになっていないか、診療の質が低下していないかなど、医師個人のモニタリングは最も重要」と述べ、医師個人の健康管理については最重要事項に位置付けた。その上で、「医師の労働時間に関する取り組みが米国では医...