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国立大学病院の借金返済、2020年度に滞る?

レポート 2018年7月10日 (火)  大西裕康(m3.com編集部)

常置委員長の山本氏 国立大学附属病院長会議は7月9日の記者会見で、国立大学附属病院の収益構造が悪化し2020年度には借入金の返済が滞る可能性が生じるとの試算結果を公表した。同会議の常置委員長を務める山本修一氏(千葉大学附属病院病院長)は会見で、「冗談では済まない話だ。すぐそこにある危機とわれわれは認識している」と述べた。より具体的なシミュレーション結果などをまとめ次第、文部科学省などの関係省庁や国会議員などに説明する機会を求める考え。 試算では、全45病院(歯科系2病院、研究所附属の1病院を含む)における借入金の実績に基づき、機能を維持するための借入金見込み額、毎年度の収支差額から投資などに使うことができる資金として「経常利益と減価償却費」(借入金整備分)などを算出し、借入金償還額の見込み額と比較した。その結果、2020年度の借入金見込み額は600億円で、借入償還額である621億円を下回った。2020年度以降も、2028年度までこの逆転現象が続くとの予測だ(図1参照)。 図1(国立大学附属病院長会議提供) その最大の原因は増収減益傾向が続いている状況だ。各病院が診療の機能強化などに取り...