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国立大最大の義務年限付「地域枠」、その現状は? - 筑波大学◆Vol.1

スペシャル企画 2018年7月20日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

茨城県の人口10万人当たりの医師数は、全国46位。同県では地域枠拡充に力を入れており、県内唯一の医学部を持つ筑波大学が、その大半を受け入れている。同大の医学群医学類(医学部に相当)の定員140人中、茨城県の「義務年限付の奨学金」の地域枠の学生は36人で、約25%。その割合は、国立大学の中では最多だ。定員充足率は100%ではないが、同大学は、茨城県内に地域医療を実践する病医院を持ち、1年次から地域医療教育に力を入れ、地域枠入学者の離脱は2009年度の地域枠のスタート以降で1人にとどまる。 同大地域医療教育学教授の前野哲博氏、講師の片岡義裕氏は、このほど文部科学省の調査研究委託事業として「我が国における地域枠制度の実態・効果および地域枠学生のキャリア形成に関する調査・研究」をまとめた。筑波大の地域枠の現状に加えて、同報告書から浮かび上がった全国の大学・医科大学の「地域枠」の現状をお聞きした(2018年6月11日に取材。全3回の連載)。 茨城県は、卒業後に茨城県内の医療機関に勤務する条件付の地域枠を、筑波大学の36人のほか、都内の6大学(東京医科歯科大学、東京医科大学、杏林大学、日本医科大学...