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手術症例・成績の公開「社会が決めること」- 岩中督・NCD代表理事に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2018年8月11日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――日本脳神経外科学会は、いったんはNCDに加わったものの、独自にJND(Japan Neurosurgical Database)を構築しています。 岩中督氏 日本脳神経外科学会はNCDとJNDの両方のデータベースを使用しています。完全にNCDに参加しなかったのは、データの利活用の仕方で、方針に相違があったためです。 NCDでは個票は公表しておらず、また第三者提供もしません。登録されたデータを解析して、「A病院の手術成績」「Bという疾患に対する手術成績の全国平均」といった統計結果を学会へ提供しています。また各施設、各医師が見ることができるのは、自院、あるいは自分自身の個別データと全国平均であり、他施設、他の医師の個別データは閲覧できません。 この4月からスタートした新専門医制度は、基幹施設と連携施設が組んで行う研修プログラム制が基本です。NCDを活用すれば、研修施設群全体の症例数、専攻医という情報も、学会に提供することができます。すなわちプログラムを管理する統括指導医、直接専攻医の指導に当たる各連携施設の責任者や日本外科学会事務局は、専攻医の診療実績を患者情報が一部低減化された一覧表...