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国立大最大の地域枠、「地元優先」で成功 - 旭川医科大学◆Vol.1

スペシャル企画 2018年8月7日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

旭川医科大学の「地域枠」は、地元の北海道出身者の優先入学枠。地元出身者の場合、卒業後に地元に定着する率が高いと言われるが、その実例が旭川医大と言える。この「地域枠」は、2018年度入試の場合、107人中(1年次)、47人(43.9%)であり、国立大学の中では最多だ。 「地域枠」は、2004年度の臨床研修の必修化以降、医師不足が顕著になり導入、一定の成果を挙げた。もっとも、2018年度は「地域枠」を減らし、「AO入試国際医療人特別選抜」を新設した。旭川医大学長の吉田晃敏氏は、「われわれは常に将来を見据えて取り組んできた」と語る。同大の「地域枠」の過去、現在、未来についてお聞きした(2018年6月27日に取材。全3回の連載)。 旭川医科大学学長の吉田晃敏氏 「少しでも多くの卒業生を旭川医大に残したいと考えてきた。道内で勤務する旭川医大の卒業生は、10年間で約600人に上る見通し。これが地域枠の威力」 こう語るのは、旭川医科大学学長の吉田晃敏氏だ。2004年度の臨床研修制度のスタート以降、2006年度(平成18年度)のマッチングでは、同大病院に決まった研修医は11人に減少。2007年度からは...