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熱帯医学に情熱を注いだ半世紀◆Vol.1

スペシャル企画 2018年8月1日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

長崎大学の熱帯医学研究所、通称「熱研」は、日本における熱帯医学研究を目的とする唯一の公的な機関だ。同大医学部卒業後、長年熱帯医学に従事し、ケニアなどでも研究を続けた一人が、青木克己氏。2001年から2007年までの6年間は、同研究所の所長を務めた。 「私は自分のことを『凡人』だと思っています。そんな私が『私の医歴書』に登場するのがふさわしいかどうかは分かりません。しかし、凡人であっても、ある環境が与えられれば、人は育つ、成果を挙げることができます」と語る青木氏。熱帯医学、中でも寄生虫の研究に医師人生を捧げた青木氏の「私の医歴書」をお届けする。 私は1968年、長崎大学医学部卒業後、以降人生の大半を寄生虫の研究に注いできました。 1979年にケニアは、国立の医学・保健医療研究拠点として、ケニア中央医学研究所(KEMRI)を設立、JICA(独立行政法人国際協力機構)は2006年まで技術協力を行い、私もその一員として27年にわたり、ケニアに足を運び、感染症プロジェクトに参加してきました。2001年から2007年までは長崎大学の熱帯医学研究所(熱研)の所長、2008年から2014年までは同大大...