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NCD、日米の手術成績比較も可能 - 森正樹・日本外科学会理事長に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2018年8月25日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――NCDに登録されたビッグデータを、診療ガイドラインの見直しなどに活用され得るのでしょうか。 はい、もちろんです。NCDデータを分析すれば、「どんな介入を行えば、患者さんの予後が良くなるか」などが明らかになってきます。例えば消化器外科領域では、胃癌全摘術など8つの主要な術式については、診療ガイドラインに反映できるかを今、話し合ってもらっているところです。診療ガイドラインの基となる臨床試験においても、正確な臨床試験を実施するためには、入力データの正しさが求められます。NCDを使って正確性を期すなどの取り組みも実施されています。 そのほか、海外のデータとの比較もできるようになりました。「日本の手術成績がいいのは、患者さんの肥満度の違い。日本人のようにやせた患者さんの手術と、米国人に多い肥満の患者さんの手術では、成績が違うのは当然」などと言われ、いつも悔しい思いをしていました。 そこでNCDを用いて、臓器横断的に、手術と患者さんの BMI との関連を分析し、米国のデータベースであるACS-NSQIPとの比較を行いました。その結果、「肥満の患者さんでは、術後合併症の発症率が高まる」ことが明ら...