1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「テーマより、教授の人物を見極めよ」◆Vol.8

「テーマより、教授の人物を見極めよ」◆Vol.8

スペシャル企画 2018年8月8日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――医学部卒業後、「臨床医になるなら皮膚科」と決めていたが、結局は基礎研究の道に入る。 集団を念頭に置いた健康・医療に取り組むか、あるいは臨床医になって、一対一で患者さんを助けるか、大きく分ければ、医師としての選択肢は二つあるわけです。当初は、早く一人前になれると考え、皮膚科医を目指していました。しかし、医学部3年生の時に、片峰大助先生と出会って以来、基礎研究に関心を持つようになっていたのです。 ただ医学部の学生である以上、マラリア、コレラなどの「致命的な病気」に惹かれるのは自然なこと。片峰先生が研究していた病気は、例えばフィラリア症は、足、腕、胸、陰茎や陰嚢などが腫れ上がり、それは大変な思いするけれども、致死的ではないのです。 そのため「片峰先生のところではなく、他のところに行こうか」と考えていた時に、私の4級上の先輩の原田尚紀先生からこう言われたのです。「テーマはいくらでもある。教授がどんな人物かを見て選べ。お前のような素人の興味で決めるんじゃない」。その先輩は、既に4年くらい片峰先生のところで研究しており、先輩の言葉を信じることにしました。今思うと、片峰先生以外の教室に行っていた...