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米国UCLAに留学「お前はいい選択をした」◆Vol.10

スペシャル企画 2018年8月10日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――大学院修了後、1973年8月から翌1974年3月まで、米国UCLAのSchool of Public Healthに留学した。 フィラリアには、時間を感じ取るセンサーがあるのです。私の先輩が、沖縄からフィラリア症の患者さんたちが移民としてボリビアに船でわたる際、船医として同行しました。数日おきに採血を続けたところ、フィラリアが出てくるのは、船が夜の時間帯に限られていた。つまり日本時間から見れば、フィラリアが出現する時間が少しずつずれていったわけです。それはなぜか。ヒトの体が何かを感じて、それが間接的に虫に伝わったのか――。理由までは分かりませんでしたが、フィラリアの夜間出現性という性質は、場所を問わず維持されることが確認されました。 では飛行機で動物モデルのネコを運び、現地に到着してすぐに調べたら、フィラリアの夜間出現性はどうなるか。それを確認したいと考え、留学する際、私はマレー糸状虫症に感染したネコを連れていきました。米国のカリフォルニアと日本では時差があります。渡航前にあらかじめ、私が到着したら、採血して、すぐに調べることができる態勢を整えておくよう依頼しておきました。ところが...