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グアテマラでオンコセルカ病プロジェクトに参加◆Vol.11

スペシャル企画 2018年8月11日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――UCLA留学から帰国後、1975年には熱研寄生虫部門の助教授に就任した。その翌年1976年から1977年にかけては、JICAのグアテマラのオンコセルカ症対策の研究に従事した。1976年は、グアテマラ大地震が発生した年。グアテマラに行った時にはまだ復興もままならず、住む家もなかったという。 グアテマラでは、「Servicio Nacional De Erradicación De La Malaria」、つまりマラリア撲滅が主たる活動でしたが、同じ研究拠点の一角で、オンコセルカ対策にも取り組んでいたのです。私はこのプロジェクトに日本から参加した最初の一人。約1年3カ月、現地に滞在しました。 オンコセルカ病は日本にはなく、患者さんを診るのは実は初めてでした。前眼房水の中を遊泳する仔虫を最初に診たときは、正直ぎょっとしました。その診察の仕方が面白い。仔虫は沈んでしまうので、患者さんに何度もお辞儀をしてもらい、虫が前眼房水の上部に上がってくるところを捉えて、診察する。そんなことは教科書には書いていませんでした。 オンコセルカはフィラリアの一種。その治療薬は、ノーベル医学・生理学賞を受賞した...