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もしもノーベル賞の大村先生と接点があったら……◆Vol.12

スペシャル企画 2018年8月12日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――グアテマラのプロジェクトは、青木氏が帰国した後も長年続き、「JICAが誇りにしている成果の一つ」と青木氏は受け止めるが……。 1993年、後にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏(中央)と(提供:青木氏) 研究成果はものすごく上がり、論文もたくさん出ました。しかし、残念なことがあります。ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智先生が発見したイベルメクチンの医薬品化を進める研究をしたのは、同賞を共同受賞した米メルク社の研究所にいたウィリアム・キャンベル博士。治験は、アフリカのセネガルで行われました。イベルメクチンが上市されたのは、1988年。JICAのグアテマラにおけるオンコセルカプロジェクトは、1976年から10年以上続いていました。 JICAのプロジェクトの重鎮らが、大村先生の研究のことを知っていたら、日本人が発見したイベルメクチンの治験を、日本人が行うプロジェクトの中で実施できたかもしれないのです。 これは日本の縦社会の弊害なのか、情報に疎いのか、何が原因かは分かりません。その後、私は大村先生とは結構親しくさせてもらいました。大村先生にいろいろ聞きたいことがたくさんあったから...