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「教授が辞めるときは助教授が責任を」◆Vol.13

スペシャル企画 2018年8月13日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――グアテマラから帰国後、1981年から今度はJICAのケニア感染症プロジェクトに参加することになる。 私が参加したのは、JICAのケニアプロジェクトの第二弾です。第一弾は、1966年から1975年まで続いた「ダクタリ・ジャパニ」という医療協力です。第一弾の際は、現地の熱帯病患者の診断、治療が主な目的でした。その経験を生かし、公衆衛生的な対策も必要ということで、ウイルス感染症、寄生虫感染症、細菌感染症に着手しました。その後、プロジェクトにはAIDSと肝炎の対策が加わりました。 ケニアの寄生虫による感染症対策の中で、一番重要なのは住血吸虫症。「それなら長崎大」ということで、片峰大助先生のところに話が来ました。定年間際だった片峰先生から、助教授の私は、「教授が辞めるときには、助教授が全て責任を負うべき。お前がやれ」と言われたのです。それまで私はフィラリア症の研究はやっていましたが、住血吸虫症のことは全然分からなかった。4級下の嶋田雅暁先生と一緒に取り組むことにしました。 最初にケニアに行ったときには、本当にいろいろ苦労しましたね。JICAのプロジェクトで、われわれ長崎大が行く以前に取り組ん...