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最高裁、「勾留中の医師死亡」遺族の上告棄却

レポート 2018年8月4日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長

最高裁判所は7月31日、奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月、呼吸停止になり搬送先病院で死亡し、遺族が奈良県を訴えた裁判で、遺族側の上告および上告受理申立てを共に棄却した。 遺族側は、勾留中の死亡は、留置業務管理者である奈良県に過失があるとして、9682万5418円の損害賠償を奈良県に求めるため、2013年2月に提訴。しかし、2016年12月の奈良地裁判決、2017年12月の大阪高裁判決のいずれも、遺族の請求を棄却した(『男性医師の勾留中死亡、奈良地裁、遺族の請求棄却』、『医師遺族、一審に続き敗訴、奈良の勾留医師死亡事件』を参照)。遺族側は判決を不服として、上告および上告受理申立てをしていた。 遺族の代理人弁護士の小泉哲二氏は、「本件で、上告受理申立てが認められないようでは、日本には、公権力に関わる裁判については、法の支配、法治主義が定着していないということで、法曹の一員としては情けないことだと思っている」と語る。上告受理申立てに対し、最高裁は「本件申立の理由によれば、本件は、民事訴訟法318条により受理すべきものとは認められな...