1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 熱研の教授に就任、若手をケニアへ◆Vol.14

熱研の教授に就任、若手をケニアへ◆Vol.14

スペシャル企画 2018年8月14日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1983年には、長崎大の熱研寄生虫部門の教授に就任した。 ケニアプロジェクトにおける教授の主な役割は、コーディネートだと考えていました。ケニアの長期滞在費用は、JICAの技術協力プロジェクトと協力して確保。その上で、私の研究室の大学院生や助手、助教授を、1年とか2年、現地に赴任させ、研究に従事してもらっていました。私の研究室に所属し、あるいは他の大学から本プロジェクトに参加した数人の研究者が、産業医科大学の教授などに就任しています。 私が若い人をケニアにどんどん派遣していたのは、やはり若い頃から、現地に赴き、人脈を作り、現地の人たちと信頼関係を構築していくことが必要だと考えていたからです。今、長崎大のケニア・アフリカ拠点が機能しているのは、私の先輩や同世代だけでなく、後輩達が現地を経験し、それを通じて育ってきたという循環があり、ケニア側との信頼関係が成り立っているからです。例えば教授になって、いきなりケニアのプロジェクトを頼まれても、経験も人脈もないから、それは無理です。 ケニアの住血吸虫症の流行地で遊ぶ子ども達(提供:青木氏) ――ケニアの住血吸虫症対策では、日本チームと他国のチ...