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長崎大・熱研所長、鍵はミッションの明確化◆Vol.18

スペシャル企画 2018年8月18日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2001年4月、青木氏は熱研の所長に就任。 私の前の所長は、1999年に「日本脳炎・デング等アルボウィルス病の基礎並びに応用研究」で野口英世記念医学賞を受賞した五十嵐章先生。その五十嵐先生が所長に就任される前年に、文部科学省の指導があり、外部評価を受けたところ、「評価を受けるにしても、何が熱研のミッションであるかが明確でないと、評価はできない」という厳しい指摘がありました。 長崎大・熱帯医学研究所の玄関に掲げられているミッション(撮影:松村琢磨) もちろん当時も熱研には目標がありました。ただし、それは文科省が作ったものです。「熱帯医学と学理と応用に関する研究」が長崎大の熱研のミッション。東京大学の医科学研究所は、「医科学の学理と応用に対する研究」。つまり、固有名詞が違うだけで、文章は同様のミッションが国立大学の各研究所で使われていたのです。それで所長に就任された五十嵐先生から指名され、私を含め、5人程度で委員会を作って議論し、作成したのが、今の熱研のミッションです。 五十嵐先生をはじめ、すばらしい研究業績を挙げていても、当時の熱研の評判はあまり高くありませんでした。熱研の仕事の一部...