患者個別の手術リスク、「JapanSCORE」で説明 - 聖マリアンナ医大心臓血管外科◆Vol.2
レポート
2018年9月15日 (土)
橋本佳子(m3.com編集長)
――聖マリアンナ医科大学心臓血管外科では、「JapanSCORE」を日常診療で使用されているとお聞きしました(Vol.1を参照)。 心臓血管外科領域の手術でリスクを解析する有名なモデルとしては、「STS score」、「Euro score」などがありますが、「JapanSCORE」は、日本の医療機関のデータを用いた手術成績なので、非常にリアリティーがあります。 いずれのモデルも術式ごとに患者リスクを調整した術後死亡率などを計算でき、心臓血管外科手術の成績は日本の方が優れることも明らかになっています。術式によっては1.5倍から2倍くらい違うこともあります。例えば、「Euro score」では10%の術後死亡率が、「JapanSCORE」では5%だったりします。より良い成績を求められるわけですから、手術を担当するわれわれのハードルが高くなることも意味するわけですが。 聖マリアンナ医科大学心臓血管外科教授の宮入剛氏 ――先生は、術後死亡率などのリスクをそのまま患者さんに説明されているのですか。 患者さんにもよりますが、私は割とはっきり言ってしまいますね。手術説明書にも、数値を記載しています...
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