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長崎大、念願のケニア拠点を設置、「コンテナ」で◆Vol.20

スペシャル企画 2018年8月20日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――長崎大学は2005年に、JICAプロジェクト終了間際の2005年、独自のケニア拠点を設置した。今、日本から行っているスタッフは十数人程度で、現地スタッフが多く、全体では100人を超す陣容だ。 ケニア拠点の構想は、歴代の熱研所長の夢であり、温めていたものです。熱帯医学の研究は、血液などの研究サンプルを日本に持ち帰って行うことも可能かもしれませんが、疫学と一体化した研究を進めるためには、やはり現地拠点が必要――というのは、歴代所長の一致した意見でした。その際、JICAの費用で活動し、ケニア中央医学研究所(KEMRI)を研究拠点にすることは可能ですが、その場合はJICAの目的に沿った研究をしなければいけないという問題もありました。長崎大が独自にテーマを考えて、研究を自由に実施できる拠点を望んでいたのです。 長崎大が2005年に建てたケニア拠点。コンテナを並べて、研究室に仕立てた(提供:青木氏) 私はその後を引き継ぎ、2001年に熱研所長に就任して以来、文部科学省への予算要求に盛り込んでいました。しかし、国立大学が海外に拠点を持つのはあまり例がない。ダメかと諦めつつあったとき、幾つかの幸運...