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「学生の心に火を点ける」精神で人材育成◆Vol.22

スペシャル企画 2018年8月22日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――長崎大学の熱帯医学研究所所長を2007年3月に退任した後、大学院国際健康開発研究科(2015年度から長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科に統合)の科長を2008年4月から2014年3月まで続けた。 国際健康開発研究科の2期生が、青木氏の自宅に集まってパーティーを開催(提供:青木氏) 将来、発展途上国に行って、現地住民の人たちの健康増進に寄与する実務型の人間を作る――。これが国際健康開発研究科のミッションです。2年間の課程で、公衆衛生修士(MPH)を養成するのが目的です。前学長の片峰茂先生が大学理事を務めていた時代に発足しました。先輩たちは先見の明があったと思います。素直に考えれば、「国際保健」と命名するでしょう。そうではなく、「国際健康開発」としたのです。 近年はグローバル化が進み、人々は種々の恩恵を受ける一方、ますます深刻になりつつある問題も生じています。その代表例が保健医療の格差の拡大です。日本政府は開発途上国の保健医療の改善に向けて戦略を打ち出していますが、日本には開発途上国において活躍する保健医療分野の専門的実務家を養成する教育機関がありませんでした。そこで手を挙げたの...