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労基署「内部通報あれば調査せざるを得ず」◆Vol.4

スペシャル企画 2018年9月10日 (月)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※日医副会長の今村聡氏と東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏の対談。文中、敬称略。Vol.1、Vol.2、Vol.3を参照) ――今、医療機関に労働基準監督署の立ち入り調査等が行われています。「医師の働き方改革の議論がまとまるまで、労基署が入るのは待ってほしい」という声もあります。この点については、どうお考えでしょうか。 今村 労基署に話を聞くと、「別に医療機関だけをターゲットにしているわけではありません」との答えです。もっとも、全業種と医療を比較すると、医療の方が、健診の実施率や健康面に対する取り組みが低いわけです。医療を担っている団体なので、自分の健康は自分で守れるという思い込みがあるのかは分かりませんが、人の健康を守る立場としては問題でしょう。労基署の立ち入り調査では、「このような書類を用意してください」とリストが提示されます。しかし、それらの書類を持ち得ない病院もあります。 さらに労基署が入るのは、内部からの情報提供がきっかけであることが多い。「こうした問題があるので、調査に来てください」と情報が寄せられれば、労基署は行かざるを得ません。しかも、「あの病...