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忙しい外来でCTをオーダー!翌日のレポート確認できますか?【後編】

オピニオン 2018年8月31日 (金)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

前回は、米国の救急医と放射線科医との連携の実際や、全国的に読影所見を共有しようとする姿勢についてご紹介しました。今回は日本においてどういう仕組が必要なのか?現状はどうなっているのか?についてです。 基本は電子カルテを使ったアラートシステム 日本の放射線科医の数は米国よりも相対的に少なく限られているため、一人当たりの読影件数は、かなり多くなってしまいます(参考1)。読影や治療にて多忙な中、放射線科医がタイムリーな読影をして院内の内線電話やメールで結果をオーダーした主治医に伝えることはかなり難しいでしょう。熱心な先生は連絡してくれるが、個人の努力に頼るのには限界があります。 一番頼りになるツールは電子カルテを使った連絡方法であろうと考えます。気になる所見があれば「主治医に重要所見としてメールで通知」とクリックすれば、あとは主治医に電子カルテ内のメールが送られる、といった具合のシステムが理想です。米国では多くの病院が運用しています。 しかしながら、現在は日本の電子カルテにこのような機能がないので、電子カルテを提供している各社には機能を付けるための開発費がかかります。各企業とも営利企業であり、...