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厳格な監督官が聖マリア病院に労いの言葉をかけるまで◆Vol.1

レポート 2018年9月8日 (土)  水谷悠(m3.com編集部)

各地の医療機関に次々と労働基準監督署が指導・監督に入る中、福岡県久留米市で中核的な役割を担う聖マリア病院(1097床、医師254人)も2017年11月に久留米労働基準監督署の監督官による立ち入り調査を受けた。是正勧告を受け、時間外勤務の改善や当直勤務の交代勤務への体制変更、外来体制の見直しなどを行った。地域の救急車の半数以上を受ける救命救急センターとしての役割は放棄できない中で、どのような対策を取ったのか。 立ち入り調査やその後のやり取りを経て、2018年2月に出された是正勧告・指導の内容は、次の通り(勧告は法令違反、指導は違反ではないが改善が必要と判断されたもの)。 ◆勧告 36協定に定めた時間以上に時間外勤務をさせている。 休日労働の協定がないが、休日労働をさせている。 監督官が調査した医師、研修医について時間外、深夜労働に対する割り増しが不足している。 ◆指導 当直は法律上の宿直とは認められないので、労働時間としてカウントすること。 医師、研修医のみならず、全職員に対して2017年3月21日以降について、時間外勤務の実態調査を行い、時間外勤務と認定されたものについては支払いを行う...