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産科医療補償制度の「要約版」、なぜ公表停止?

レポート 2018年9月9日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

一般社団法人日本産婦人科協会のシンポジウムが9月8日、「日常診療に必要な法的対策を考える」をテーマに開催された。弁護士の井上清成氏は、産科医療補償制度をめぐる最近のトピックスとして、日本医療機能評価機構が原因分析報告書の「要約版」のホームページ上での公表を8月1日から停止したことを紹介した(同機構のホームページを参照)。公表停止自体は一定の評価をする一方、井上氏は2009年1月の制度開始から10年目に入った同制度の後半期は、前半期に比べて「重度脳性麻痺訴訟の提訴は急増している」と警鐘を鳴らした。 弁護士の井上清成氏 井上氏は、2017年5月30日の改正個人情報保護法の施行に伴い、「要約版」の公表については、妊婦等から明示的な同意を得る必要が生じたが、現在の産科医療補償制度では同意を得ていないことが公表停止の理由であると説明。井上氏は、同機構が改正法施行から1年2カ月、放置していたことを問題視した。 「要約版」を公表された分娩施設は、匿名化されても特定し得ることから、産科医らが精神的なダメージや風評被害を受けるケースもあり、日本産婦人科協会は、事務局長の池下久弥氏らが中心となり、かねてか...