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乳腺外科医裁判が再開、「『犯罪』ではなく『症例』」

レポート 2018年9月11日 (火)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する東京地裁(大川隆男裁判長)での第2回公判が9月10日に開催された。弁護側冒頭陳述で「本件は、事件や犯罪ではなく、医学ジャーナルに載って注意喚起されるべき症例である」とし、無罪を訴えた。裁判は2016年11月30日の初公判の後、裁判所、検察、弁護士で公判の進め方を非公開で協議する「期日間整理手続き」が重ねられ、1年10カ月ぶりの公判再開となった(初公判は『「乳腺外科医のプライドかけて無罪主張」、柳原病院事件初公判』を参照)。来年2月までに集中審理が予定されている。 主任弁護人の高野隆氏による弁護側冒頭陳述の概要は、以下の通り。 ・麻酔鎮静薬による術後せん妄、性的幻覚は海外の医学ジャーナルでも報告され、注意喚起や対策(診察時の付添や患者ケアなど)がされている。 ・我が国では対策が極めて不十分で、本件はその結果の一つの悲劇であり、警鐘を鳴らすものである。 ・被告は当時40歳。外科専門医、乳腺専門医を持ち、東京都内のブレストクリニックで働く傍ら、柳原病院や都立駒...