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重症心疾患男児の心カテ検査時に過失か - 東京地裁判決を詳報◆Vol.1

レポート 2018年9月19日 (水)  大西裕康(m3.com編集部)

公益財団法人日本心臓血圧振興会が運営する榊原記念病院(東京都府中市)で、心臓カテーテル検査時の麻酔薬選択や麻酔管理、血圧測定などに注意義務違反・過失があったため、検査の中止後に男児患者は低酸素脳症を発症し死亡に至ったと両親が財団に賠償を求めた訴訟で、東京地裁は6月21日、計3248万782円の支払いを命じた。 両親の訴えは、心カテ検査時の「麻酔薬選択」「麻酔濃度管理」「血圧測定と急変時に備えた末梢静脈路の確保」で注意義務違反や過失があったという内容。東京地裁判決後、原告側、被告側ともに控訴せず原審判決が確定した。心臓疾患に関する治療が専門の医療機関で何が起こったのか、地裁判決を詳報する。Vol.1では、診療経過の概要と、争点に対する原告側と被告側双方の主張を整理した。 ■ 前提事実(当事者、診療経過の概要) ■ 争点および当事者の主張 小児科医による麻酔薬フローセンの使用 麻酔管理に関する過失 自動血圧計による血圧測定および末梢静脈路の確保の懈怠 ■ 損害および数額 原告:男児の両親被告:日本心臓血圧研究振興会 事案の概要 無脾症候群、完全型心内膜床欠損症、肺動脈閉鎖、左心室低形成、共...