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応召義務「無制限に働け」ではない

レポート 2018年9月20日 (木)  水谷悠(m3.com編集部)

厚生労働省の第10回「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が9月19日に開催され、「医療を取り巻く状況の変化等を踏まえた医師法の応召義務の解釈についての研究」で研究班の主任研究者を務める上智大学法学部教授の岩田太氏が中間報告をした。同氏は、医師法19条の「応召義務」は医師の倫理規定的な性格を持つものであり、「医師が無制限に働き続けなければいけないということは、応召義務は想定していない」という見解を提示。1949年などの厚生省医務局長通知に基づく現在の解釈は、現代の医療提供体制には合っておらず、新たな解釈などを示す必要があると説明した(資料は、厚労省のホームページ)。 中間報告では、応召義務が成立した過程について、1948年の医師法制定時には、まずは戦後の医療供給体制の量的確保が進められていた時期で、医療機関相互の機能分担や連携による医療供給体制のシステム化は行われていなかったと説明。法律には、直接に違反者を処罰したり損害賠償を求めたりする強い規制をかけるものではない「プログラム規定」あるいは「訓示規定」と呼ばれるものがあり、応召義務は医...