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同様の麻酔事故で指摘された教訓は - 東京地裁判決を詳報◆Vol.3

レポート 2018年9月23日 (日)  大西裕康(m3.com編集部)

公益財団法人日本心臓血圧振興会の榊原記念病院(東京都府中市)で、心臓カテーテル検査時の麻酔薬選択や麻酔管理、血圧測定などの注意義務違反・過失を巡って死亡した男児の両親が財団に賠償を求めた訴訟に関する地裁判決の詳報。Vol.3では、本件前に起こった麻酔事故の概要と、本件に関する事故調査委員会の報告書概要を紹介する。⇒Vol.1 ⇒Vol.2 ■ 本件前の麻酔事故の概要 ■ 事故調査委員会の心臓病の評価等 ■ 本件事象に係る事故調査委員会の報告 男児の心臓病の評価等 本件検査時の麻酔等に関する評価等 ■ 結論 本件前の麻酔事故および同事故後の被告病院における対応等 本件前の麻酔事故の概要 (ア) 患児は当時10歳の女児で、無脾症候群、完全型心内膜床欠損症、単心房、肺動脈弁閉鎖、MAPCA、共通房室閉鎖不全の診断。他院において肺動脈が細く手術適応なしとの判断であったことから、被告病院をセカンドオピニオン目的で受診し、ラステリー手術の可能性を前提として、1年で3回のシャント術施行後、外来で、術後の容量負荷、房室弁閉鎖不全の増強による心不全、頻脈発作の発現をβブロッカーの導入等によりフォローして...