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鑑定人医師らの見解も不一致 - 東京地裁判決を詳報◆Vol.4-2

レポート 2018年9月30日 (日)  大西裕康(m3.com編集部)

公益財団法人日本心臓血圧振興会の榊原記念病院(東京都府中市)で、心臓カテーテル検査時の麻酔薬選択や麻酔管理、血圧測定などの注意義務違反・過失を巡って死亡した男児の両親が財団に賠償を求めた訴訟に関する地裁判決の詳報。Vol.4-2では、鑑定人を務めた小児科医2人と麻酔科医2人の計4人が示した医学的見解を紹介する(Vol.4-1では証人医師3人と担当医の計4人の医学的見解を紹介)⇒Vol.1 ⇒Vol.2 ⇒Vol.3。 ■ 鑑定人H(小児科医)の見解 ■ 鑑定人I(同)の見解 ■ 鑑定人J(麻酔科医)の見解 ■ 鑑定人K(同)の見解 (5) 鑑定人H(小児科医) ア フローセンの使用について 不適切である。 麻酔科医のマンパワーの問題もあり、小児科医のみでカテーテル検査を実施することは多いが、ほとんどの場合は静脈麻酔を用いている。フローセンの添付文書には「使用に習熟した麻酔専門医により使用のこと」と記載されているし、そもそも、多くの小児科医は麻酔科での研修をすることなく小児科医になっており、小児科医のみで吸入麻酔薬を用いて全身麻酔を施行すること自体が、2006年当時においても一般的ではな...