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「悪くなったらまた来てください!で大丈夫?」

オピニオン 2018年9月28日 (金)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

忙しい時間外の外来で一生懸命に患者さんを診療して、説明してクタクタになってなんとか自宅に帰って泥のように眠った。疲れが抜けぬまま翌日出勤すると、事務部長から「先生、先日の夜に診ていただいた患者さんから連絡がありまして……」と残念な報告を受けたことはないでしょうか?「せっかく頑張ったのに何なんだ!」という気持ちになったこと、多くの先生にあるのではないかと思います。今回は「医師が説明した内容」と「患者さんの理解」がなるべく一致するためにはどうしたらいいか、を考えます。 日曜の朝3時。心肺停止の患者さんの対応を終えた研修医のS先生は予診票を手に取った。 ―Tさん24歳男性。嘔気、下腹部痛、下痢が土曜日の朝からあり。― と記載があった。先生は 「胃腸炎かもしれないが、他の可能性も考えて診察しよう!」 と考えました。診察の結果、体温37.5℃、脈90回/分、呼吸数15回/分、血圧120/80mmhg、SpO2 99%。下腹部には限局しない圧痛を認めました。 「胃腸炎の可能性があります。でもまだはっきしりしません。痛みが強くなったりしたら来院してください」と説明し、患者さんは帰宅しました。 ……そ...