1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「せん妄による幻覚の可能性」、弁護側証人の精神科医

「せん妄による幻覚の可能性」、弁護側証人の精神科医

レポート 2018年10月4日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する東京地裁(大川隆男裁判長)での第8回公判が10月3日に開催され、弁護側証人の精神科医への証人尋問があった。精神科医は、被害を訴える女性(A氏)について「DSM-5によるせん妄の診断基準に該当する状態にあった可能性があり、被害の訴えがせん妄状態による幻覚であった可能性がある」と証言した(検察側証人の尋問は『精神科医「術後せん妄で説明する必要はない」』を参照)。 弁護側証人は国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野長、同東病院精神腫瘍科長の小川朝生氏(精神腫瘍学、精神科指導医・専門医)。弁護側は尋問冒頭で、小川氏の学術論文は英文70本、邦文160本超で、せん妄関連では論文21本があること、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業「がん治療中のせん妄の発症予防を目指した多職種せん妄プログラムの開発」で主任研究者を務めるなどせん妄に造詣が深いことを確認した。 小川氏への証人尋問は、法廷内に設置されたディスプレイに小川氏作成...