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紛争地での援助活動、「NO!」と言わない訳 - 白川優子・「国境なき医師団」看護師に聞く◆Vol.2

インタビュー 2018年10月20日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――白川さん自身、南スーダンでは本当に危ない目に遭っています。到着初日は、治安は良かったのに、翌日から急速に悪化しました。 内戦の停戦を受けて、復興に向けた援助活動として現地に赴いたので、私たちは治安がいい状況が続くと思っていたのです。しかし、再び戦闘があっという間に始まってしまうことを体験したミッションでした。 壁の右下の写真は、支援先でオートクレーブを現地の道具で組み立てている白川氏。 ――印象的なのは、南スーダンのマラカルで戦闘が始まり、リーダーから「NOと言っていいんだよ」と前置きがありつつも、「残ってくれるか?」と聞かれた場面です(『紛争地の看護師』151ページ)。聞かれたら、「NO」とは言いにくいのでは。 「帰りたい人は、いつでも申し出てもいい」というのは、国境なき医師団の活動ではどの地域でも共通した体制です。本人が不安を抱いたりしていれば、活動ができなくなってしまうからです。実際に「NO」と言って帰る方もいます。 ――南スーダンで、「大丈夫、残ります」と言った時の思いは。 私はその時は、残ることに迷いはありませんでした。チームをそれだけ信頼していたからです。私たちは常に「...