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未曾有の災害時の医療について考える

オピニオン 2018年10月21日 (日)  木川英(川越救急クリニック副院長)

災害級の酷暑が終わったと思ったら、台風21号、北海道胆振東部地震と自然災害が立て続けに起きてしまい、「想定外」の今年はどうなってしまうのでしょうか…。被災された方々には 、謹んでお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 23年前の阪神淡路大震災は、死者6434人、負傷者4万3792人に上りました。犠牲者のうち8割が圧死であった中、災害現場における医療についても、課題が浮き彫りとなりました。多くの傷病者が発生し医療の需要が拡大する一方、病院も被災し、ライフラインの途絶、医療従事者の確保の困難などにより被災地域内で十分な医療も受けられずに死亡した、いわゆる「避けられた災害死」が大きな問題として取り上げられました。がれきに長時間挟まれ、救出後に発症する「クラッシュ症候群」に関しては、医療者にも当時はあまり認知されていませんでした。 この震災で「救える命」がどれだけあっただろうか。その教訓を生かし、レスキュー隊の救助活動と共に医師ががれきの下に入り、医療行為を行う「がれきの下の医療」の必要性が認識されるようになりました。こうして災害医療の課題を解決するために、「DMAT...