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「HPVワクチンで救えるはずの命」、今後50年で2万人超に

レポート 2018年10月14日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

北大のシャロン・ハンリー氏 日本医師会と日本医学会合同公開フォーラム「HPVワクチンについて考える」が10月13日、日医会館で開催され、北海道大学産婦人科特任講師のシャロン・ハンリー氏は、HPVワクチンの積極的接種勧奨の差し控えが今後続いた場合、2020年から2070年までの間で本来なら予防できるはずの子宮頸がん罹患者数は10万864人、死亡者数は2万235人に上るとの推計結果を公表した。 ただし、HPVワクチンの接種率が2019年に80%に復活すれば、予防可能な罹患者数は7万4084人、死亡者数は1万4227人に減ると推計している。接種率80%とは、2013年6月に積極的接種勧奨の差し控えが起きる前の水準だ。さらに2019年から2024年の5年間かけてゆっくりと80%に復活した場合の予防可能な罹患者数は6万1719人、死亡者数は1万1666人と推計。 ハンリー氏の研究成果は、この10月上旬、オーストラリアのシドニーで開催された、国際パピローマウイルス学会で発表したものだ。オーストラリアの研究者との共同研究で、HPVワクチンの積極的接種勧奨の差し控えの影響の定量化が目的。各国政府が子宮...