1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 女子医大で“男性医師”を集める特技◆Vol.16

女子医大で“男性医師”を集める特技◆Vol.16

スペシャル企画 2018年11月16日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

── 女子医大の卒業生は、全員が女性。男性の外科医師を集めるには、他の大学出身者を呼ばなければならない。まだまだ医局の封建制が残っていた時代、どんな工夫をしたのか。 私が榊原外科に入局した時の同期は8人。私の教授時代、多い時で15人前後の若手が入局したこともあった。21年間で約300人の入局者を集めることができた。毎年40人ぐらい受験して、約15人を採用。今と違い、当時は買い手市場だった。 女子医大の講義室。全員が女性(提供:小柳氏) 当時は出身大学で研修することが大半だったため、出身大学を離れて、女子医大の医局に入局することは、自らの退路を断つことに等しく、勇気の要ることだった。それに値するものを提供しなければならなかった。特技があるわけではなかった。 第一は、何よりも症例数を維持し、ハイボリュームセンターとして運営すること。「あそこに行けば、多数の手術を経験できる」と思ってもらえることが必要。同時期に循環器小児外科教室では、今井康晴先生が教授を務めていた。手術症例は、成人が約500例、小児が約450例、合計で約950例という、日本一のレベルは長年維持していた。 もう一つ、重要なのは...