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「24時間働けますか」は時代遅れ?

オピニオン 2018年10月27日 (土)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

長年、日本社会全体そして医療界は長時間労働をせざるを得ない環境にあり、今でもその状況は大きく変わっていません。「医療は人の命を預かるから24時間働くべきだ」という、“べき論”を唱える人もいます。ただ、このままで良いとは考えられません。そこで、前回は診療寄りの内容だった「悪くなったら来てください!で大丈夫?」で解説した帰宅指示書から、今回はちょっと趣向を変えてパフォーマンスに大きな影響を与える医療者の睡眠について書きたいと思います。 看護師の勤務では、交代制勤務が主流です。しかし、医師の勤務は、 ・病院勤務医の不足 ・各専門領域の偏り ・地域による医師の偏り などから、交代制勤務はなかなか難しいところです。ただ、救急の領域で部門に十分な人員がいる医療機関では交代制勤務も可能となっています。また、私が働いていた米国では、救急は小児救急も含めて完全にシフト制でした。ICUや、外傷外科でも救急よりも勤務時間が長いものの、交代制となっていました。これらや今、我が国で進んでいる「働き方改革」の流れを見ると、医師における交代制勤務は「実現不可能な夢」ではなく、社会や医療界全体で目指すべき「到達可能な...