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性・多浪差別「許されない」、個別優遇「不適切」

レポート 2018年10月24日 (水)  水谷悠(m3.com編集部)

10月23日に公表された東京医科大学の入試不正を調査している第三者委員会の第一次調査報告書では、具体的な問題行為の内容に続いて、その評価と今後なすべき対応についても示した。性や多浪による不利益な扱いは「許されない」と断じ、特定の受験生を優遇するなどの「個別調整」も不適切と指摘。不利益を受けた受験生に対しては、追加の合格判定と、補償などの請求に誠実に向き合うこと、それに際して「一切の性差別の禁止」することなどを提言した(問題行為の詳細は、『東京医大前学長「関係者なので、合格」』を参照)。 問題行為は、性別や年齢等による「属性調整」と、個別ケースで対応する「個別調整」に大別できる 報告書の「第6 問題行為に対する評価」では、まず入試に関する大学の裁量権について検討した。前提として、日本国憲法第23条(学問の自由)の制度的保障として大学の自治が認められているため、「合格者の選抜に東京医大が一定の裁量権を有することに疑いはない」と指摘。2007年に群馬大学医学部入試で不合格となった受験生が、合格者の地位を求めて同大学と争って敗れた訴訟の東京高裁判決も例示し、「試験実施機関の最終判断に委ねられる...