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法医学者「背筋が凍る思いだ」科捜研の手法を批判

レポート 2018年11月2日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する東京地裁(大川隆男裁判長)での第11回公判が11月1日に開催され、本件最大の争点となる女性患者A氏の胸に付着したDNA やアミラーゼ反応について、鑑定した警視庁科学捜査研究所の研究員、および双方の証人として法医学者 が出廷した。弁護側証人の法医学者は科捜研の鑑定手法について「背筋が凍る思いだ」と厳しく批判した。検察側証人の法医学者は1.612ng/µLのDNA量が検出されたとする科捜研の鑑定結果などから「DNAの付着は舐めたことによると考えられる」と指摘した。 弁護団によると、DNAの量が問題となる刑事事件は初めて。科捜研が鑑定書を作成した際に作られたワークシートは鉛筆で書かれていたり、抽出液を廃棄しており再現できないことなどから、弁護側は「信用性が高いものとは到底言えない」と強調。検察側はワークシートを鑑定証拠(刑事訴訟法321条4項)として採用するよう求めたが、裁判所は却下し、証拠物として採用した。 「明瞭な陽性反応があった」 最初に検察側証人として...