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熱い情報発信「きっかけはNYでの極貧生活」 - 岩田健太郎・神戸大大学院医学研究科教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2018年11月22日 (木)  聞き手・まとめ:大西裕康(m3.com編集部)

――先生はたくさんの書籍を出版していて、寄稿もされて、ご自身のブログも頻回に更新しています。熱い気持ちから情報発信されていると感じるのですが、源泉はどこにあるのでしょうか。 きっかけは、お金がなかったからです(笑)。米国ニューヨーク(NY)市で研修医をしていた時、ビザの関係で外国人は当直のアルバイトができなかった。研修医の給料はものすごく低いし、NYはアパートの家賃が高いので、生活費がほとんどなく超貧乏でした。すごく困窮していて、お金がないけどお金を得る手段もなく悩んでいた時に、抗菌薬の勉強ですごく良くまとまっている書籍を見付けました。「感染症の教科書などがあまりない日本に向けて紹介したらどうか」とアイデアを思い付き、当時流行り出していたメルマガに課金できる仕組みを使って発行したら、毎月数万円入ってくるように。生活費としてはありがたく、「生きながらえた~」という感じでした。文字通りの「死活問題」。生活の糧に有料メルマガを続けていたら、のちに「まとめて本にしませんか」という話が来て、『抗菌薬の考え方、使い方』(中外医学社、2004年)として出版になり、売れたんです。今でも新しい版(最新は...