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3度の肉体的危機を乗り越えた開業医の『国民皆保険ものがたり』【前編】

オピニオン 2018年11月11日 (日)  河内文雄(医療法人以仁会理事長、稲毛サティクリニック)

【はじめに】 私はこの11月、保険診療の在り方を考える一般市民向けのフォーラムで基調講演を頼まれました。国民皆保険制度を守ることは私のライフワークの一つでもあるので、喜んでお引き受けしました。 しかし、講演の1カ月前に予定スライドを提出したところ、「基調講演にふさわしい内容ではない」と言われ、キャンセルになったのです。 せっかく参加を申し込んでくださった友人、知人、患者さんなどから、「話の内容だけでも知りたい」とのご連絡をいただき、m3.com編集部からの依頼を受け、原稿をまとめさせていただきました。講演スライドを基にライブ感を残した文章なので、やや読みにくいかもしれませんが、お付き合いください(全2回の連載)。 【第一章 まずおさらいをしましょう】 1.各国の医療制度 アメリカの医療制度をひと言で表せば、「金の切れ目は命の切れ目」となります。わが国のような公的保険と異なり、アメリカでは民間保険が主体となっています。皆さま既にご存知のように、民間の保険会社では、加入者の掛け金から、本来患者に支払われるべき医療費以外に、職員の給料を払い、大きな自社ビルを建て、巨額の役員報酬を得て、利潤を...