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明治から医師は進歩していない-名郷直樹・武蔵国分寺公園クリニック院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2018年11月24日 (土)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

「がん検診は本当に受けた方がいい?」「脳卒中とコレステロールの関係は?」「血糖コントロールは緩い方がいい?」「風邪は何日で治るの?」 こんな疑問に、臨床研究データに基づき回答したらどうなるのか──。EBMの草分け的存在の一人である武蔵国分寺公園クリニック院長の名郷直樹氏が、自身が「一般論との乖離が面白い」と感じた例をまとめて今夏上梓したのが、『検診や治療に疑問を感じている方!医療の現実、教えますから広めてください!!』(ライフサイエンス出版)だ。 名郷氏は本書で、明治時代に脚気治療で巻き起こった論争に詳しく触れ、「有効な治療法が見付かっていたにもかかわらず、当時の主流グループが証拠よりも論を重視した結果、なかなか広まらなかった歴史がある」と指摘し。その状況は今でも変わっておらず、「医学は進歩したが、医師は進歩していない」と強調する。本書に込めた思いや患者との接し方、EBMの現状を、名郷氏にお聞きした(2018年10月26日にインタビュー。全3回の連載)。 ──第1章と最終章で、明治時代の脚気論争に関して詳しく書かれています。本書は日刊ゲンダイの連載をまとめたものですが、この部分は連載当...