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10%も6%も患者にとっては同じ-名郷直樹・武蔵国分寺公園クリニック院長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2018年12月2日 (日)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──患者にはこの本を通じてどのようなことを知ってほしいと考えていますか。 「今の医師も同じようによく間違えるよ」ということです。脚気の治療法が広まるまでに100年近い時間を要しましたが、それほど正しい医療が広まるのは難しい。医学が進歩することは、実際の医者が変わるというレベルではこれほど大変だということですね。 ──今「正しい」と言われている治療法の多くが、証拠の面からは効果があるか分からないと指摘されています。 本書で書きましたが、たくさん例はあります。緩和ケアでは皆さんが「点滴してほしい」「酸素吸入してほしい」と言いますが、効かないことが分かっています。糖尿病だって、一生懸命治療するのと適当に治療するのと大した違いはなくて、ある面ではどちらがいいかはよく分からない。患者さんには「世の中の王道の治療でも、案外怪しいぞ」と知ってほしいですね。 伝えたいのは「何が正しいのか、簡単には分からない」ということです。正解がないのが正解です。だから医療では、相談することが大事なんですよ。「当院はエビデンス重視です」なんていう医師は怪しいです。”正しい”医療は個人個人によって違いますから。 名郷直...