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診療科偏在「働き方改革で絶対に解決するべき」 - 堀岡伸彦・厚労省医師養成等企画調整室室長◆Vol.3

スペシャル企画 2018年12月9日 (日)  まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

中山:堀岡さんのもう一つのテーマは「専門医制度」ですが、それと密接に関係するのが医師の偏在対策だと思います。私は都立病院に長くいて、現在は福島県の民間病院に所属しています。先の国会で改正された医療法改正では、医師の偏在対策も盛り込まれましたよね。 堀岡:医療法・医師法は古い法律で、改正は繰り返しているのですが、今回、初めて「偏在対策」を大々的に銘打って法律改正がなされました。偏在対策は「強制性」と「実行性」がアンビバレントな部分のある世界です。フランスのように全診療科の細かい人数まで決めて、各地方に配置すれば、偏在対策としては完璧ですけど、「強制性」は最高です。 日本ではそこまでできないですし、それでなにより今みたいな日本の医療の良い文化が守れるかどうか。例えば自分が選択したわけでもない診療科で、自分をなげうった医療をできるのかという問題もあります。一方で完全に自由だと、大都市に人が集まってきてしまう。どの程度がいいのかは人によって千差万別です。 今の法律はそのバランスの中で成り立っていて、優等生的に言うと、日本医療の良い文化を消さない範囲できちんと偏在対策をやらないといけないと思って...