1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「終わりのない診断の旅」から患者を救う、カギはデータシェア

「終わりのない診断の旅」から患者を救う、カギはデータシェア

レポート 2018年11月24日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医療研究開発機構(AMED)理事長の末松誠氏は、福岡市で開催された第38回医療情報学連合大会で11月23日、「AMEDのミッション:グローバルデータシェアリング」をテーマに講演、研究者の「Balkanization」(お互いに対立、分裂している状態)が日本の医療研究開発のネックになっていると指摘、研究者がデータシェアを進める「触媒」の役割を進めることがAMEDの重要な役割であると説明した。 例として末松氏が紹介したのは、AMEDの重点プロジェクトの一つである「未診断疾患イニシアチブ(IRUD;Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases)」。未診断疾患とは、未知の疾患、あるいは既知でもなかなか診断が付かない疾患などを指す。未診断疾患の患者は時に、「dynastic odyssey(終わりのない診断の旅)」(末松氏)を余儀なくされるが、IRUDのスタートから2年半で、半年以内で診断にたどり着いたケースは1000例を超えるという。その際、最終的にはゲノム情報を基に診断をするが、その前段階として何の症状が何歳の頃から出てきたのかなど、臨床所見で絞...