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医師需給で「今」の議論はできない - 桐野高明・佐賀県医療センター好生館理事長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2018年12月24日 (月)  聞き手・まとめ:水谷悠(m3.com編集部)

Vol.1はこちら ――先の話ですから、議論はなかなか難しいですね。 医師を増やすという話では、今定員を増やしても現場に医師が増えるのが十数年後ですから、ほとんど増えた実感がないです。だから「今」の議論はできないわけです。「今」の議論ができるとすれば、いかに現在の医師が効率的に働くか、その分布をいかに効率的にするか、医師の仕事をタスク・シフティングできるような職種をどう考えるか。こういう議論は健全です。医師を増やす議論は、「20年後どうするか」という話であって、それをあたかも、明日医師が増えるような議論をするのは間違いなのです。 それから、増やしたとしても、大体はこれまでの経験では、人気のある所に医師がどんどんどんどん集中するだけでした。増やしさえすれば、ということでは、なかなか日本ではうまくいかないです。 ――人気のある地域、診療科への集中は解決できるのでしょうか。 本当に難しいです。極端なことを言えば、例えばお医者さんは全員公務員化して、それで配置させる。産婦人科医は何人、外科医は何人、小児科医は何人というふうに決めて、養成もすることに決めてやる。それでどこに赴任させるかは試験で決...