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学生時代の「偽医者」経験がきっかけで沖縄へ - 寺澤秀一・福井大学名誉教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2018年12月16日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

研修医にとってバイブル的書籍になっている『研修医当直御法度』の著者の一人である寺澤秀一氏(福井大学名誉教授)がこのほど「外伝」として『話すことあり、聞くことあり』を上梓した。これまでに3つの病院で救急部の立ち上げを経験し、総合診療医や地域枠の学生の育成にも尽力してきた寺澤氏の想いや経験が詰まった原稿60本が収録されている。救急医になった経緯や総合診療のあり方、医師教育について考えを聞いた(2018年11月9日にインタビュー。全4回の連載)。 ――最初に先生のご経歴をお聞かせいただければと思います。寺澤先生は金沢大学医学部を卒業後、沖縄県の県立中部病院で初期研修をされています。当時としては珍しいかと思いますが、どのようなお考えだったのでしょうか。 今だから言える話ですが、学生時代に偽医者をしたんです。学生時代にバレー部に入っていましたが、西医体は全国持ち回りで相当な交通費と宿泊費が必要です。資金のほとんどは先輩の寄付で賄われていましたが、それでも足りない分は5年生が当直バイトで補っていました。今考えると恐ろしい法律違反ですが、当時は部活の先輩の声は神の声なので、歯向かえません。僕は水曜日...